鹿児島での御奉納を終え、最後の朝、お世話になった鬼塚禮兆さんより宮崎名物 ”冷や汁,,をご馳走になりました。冷や汁とは、古くは鎌倉時代に遡り『鎌倉管領家記録』に冷や汁として記述が残されており、僧侶たちによって全国に伝えられ、気候風土が適した地域に郷土料理として今に受け継がれて来たのだそうです。
宮崎では、栄養補給が出来る上に、暑さで食欲が落ちる夏場には冷たい汁を冷ましたご飯ににかけることで食べやすく、健康食として又夏バテ対策とて食されているとのことです。
鬼塚さんは、この冷や汁を前日から準備をして、別れの日に朝食として私たちにもてなして下さいました。舞人たちは初めて口にする人がほとんどでしたので大変珍しく、禮兆さん特製冷や汁が出来上がるまでの工程も楽しませて頂きました。本当に私たちは何処までも何処までも、鬼塚さんの厚い人情と心からの御もてなしに至れり尽くせりでした。
そして、前日の夜から準備のお手伝いに入っていたメンバーは、冷や汁の下ごしらえの仕方を伝授され、禮兆さんパワーも頂けたのかテンションが上がっておりました!
では、「宮崎名物冷や汁」篤とご覧あれ~~!
【冷や汁レシピ】
いりこ、胡麻、味噌、豆腐、胡瓜、しその葉、水または出し汁(分量はお好みで)
【作り方】
まずは、いりこの頭とはらわたを取り出し、身をほぐしていきます。御奉納が無事に終わってリラックスする中、舞人達夜な夜なこんなことをしておりました…
きれいに身をほぐしたら、すり鉢にいれ、擦り棒で粉末になるまでかき混ぜます。フードプロセッサーではなく、すり鉢で丁寧に!時間はかかりますが、味の決め手はここにあります。
攪拌したいりこが入った大きなすり鉢の中に、薄く輪切りにスライスした胡瓜と胡麻に味噌を入れます。水を少しづつ足しながら、そしてまたここでもすり棒で丁寧に丁寧に混ぜ合わせていきます。又何と言ってもこの土地のお水は本当に美味しいかったです。水が美味しいというのは、本当に有難いですね。
仕上げは、鉢の中で混ぜ合わさった汁を鍋に入れ替え、そこに豆腐を入れます。この豆腐は、少し硬めのものでしたが、何と鬼塚さんは、手の中で握りつぶすようにして冷や汁の中にを入れました。かなり大胆なやり方ですが、鬼塚さんがご自分の魂を入れて下さったかのように感じ、私たちは間違いなくこれは美味しく、そして元気が漲るであろうと確信したのでした。
それはもう見ているだけでワクワクして食べるのが待ち遠しかったですが、私たちは、更に美味しくなる様、あわのううたを合唱しながら冷や汁にエネルギーを注ぎました。それもまた楽しいひと時でありました。
作り方は、これでお終い!最後に千切りにしたしその葉をたくさん入れます。
はい、出来上がり!
冷や汁をご飯の上にのせて頂きます。
それはそれは、何という美味しさでしょう!もう、感動以外の何ものでもありません。普段は小食だという人まで、お代わりをしてお腹いっぱいになるほど頂きました。とってもシンプルなのに、何とも言えず美味しくて、身体が喜んでいるではありませんか。
これは、忘れることの出来ない大切な思い出です。旅をしながら、その土地でしか頂くことの出来ないものを口にして、作って下さった方の思いや、言葉にはならない心の底で受け取った歓びの分かち合いに、深い感謝の気持ちでいっぱいになりました。
鬼塚さん、本当にありがとうございました。
3日間のハードスケジュールの中、最後の最後まで私たちをサポートして頂きました。ある時には力強い父なる神の愛を、そして又ある時には母なる暖かな愛で私たちに貴重な経験をさせて下さいました。
人生でこの様な素晴らしい体験をしてしまったら、真剣に生きなければならないと思うほど、心に残る学びを、私たちは今回たくさんさせて頂いたのだと思います。
そして、そのすべてが禮兆さんが心を込めて作って下さった冷や汁のお味に入っていました。
私たちは、いつか又鬼塚禮兆さん特製の冷や汁を食する日が来ることを願っています。
本当に美味しかったです!
ご馳走様でした。