台風が通り過ぎ、空気が一掃された丁度のタイミングで奄美入りした今回の滞在…11月の奄美大島がこんなにも素晴らしいとは思ってもみなかったのですが、宇宙のあらゆる時空で交差する今この時を奄美で過ごす一瞬一瞬がまるで奇跡のように感じました。まずは、私たちが到着する前に去っていった台風がどれほどのものだったのか、どれほど要らぬものを祓っていったのかを伺い知るのです。自然が、そのすべてを見せてくれました。
この写真は、10月31日。奄美に到着して直ぐに立ち寄ったレストラン「野の花」から見た景色。空港から程よい距離の笠利町という所にある郷土料理をお出しする名店です。夕陽が沈む前にこの美しい風景を見ましょうと、鶴先生が車を止めて下さいました。美しい奄美の空に太陽が優しく微笑かけ、私たちを歓迎してくれているかのようでした。そして、今回の滞在では、知られざる奄美の魅力を大いに堪能することとなったのです。
しかしながら今回の訪問の目的は、舞の稽古、そして鈴之位取得のための試験を受けるためでありました。鈴之位というのは、芸道の世界で言う名取と同等の意味を持ち、アマミ舞では、創始者の花柳鶴寿賀こと鶴阿弥よりアマミ舞を教授することを認められた者に与えられる資格です。ちなみに、鈴之位の次が珠之位と言い、こちらは更に上級レベルです。私たちは、今回その最初の段階に進むため、同志3人が揃ってお名取り試験を受けることになりました。
もう一つの目的は、年一度行われる龍郷町安木屋場の「種おろし」の祭りに参加することでしたが、これがまた素晴らしい経験となり、まだ見ぬ奄美の素晴らしさを知る大きな機会となりました。その様子は、また後日投稿しますので、どうぞお楽しみに…
本当に、一週間お天気にも恵まれ美しい自然に癒されました。そして、奄美大島の大地が今大きく開かれようとしているのを感じ、その大地に天からのエネルギーが降り注がれているのを感じました。この素晴らしい豊かな大自然とこの地で暮らす人々に天の恩寵あれ!
そして、稽古は1、2日に行い、晴れて11月3日大安吉日に今井大権現神社にて、ご奉納後無事鈴之位授与を頂くことが出来ました。そのことについてもご報告させて頂きますね。
五十嵐ふじこ
つづく