天気も良く、心地よい風が吹いて来たある日、いつもお世話になっている大切な衣装を陰干しにしたり、お手入れする時間に恵まれ、又ここで気持ちの整理をつけながら、新たな未来に進む決意を固めるような、そんな一日がありました。
私は、様々な踊りを勉強して来ましたが、その基礎は日本舞踊です。長年の経験が今漸く花開き、アマミ舞を通して様々に展開していきます。私は本当に踊ることが大好きですが、踊りを通して自分を表現する上で、衣装は命と言えます。
日本舞踊の舞台に立つ時は、着物と決まっており、衣装の事であまりに頭を悩ますことはそうありません。しかし、アマミ舞や自ら振り付けを創作し舞台演出する際には、先ず衣装のことを考えます。
舞い手として、どんな衣装をまとったら良いのか、いつも本当に悩みます。というのも、私やアマミ舞のために、いつも素晴らしい衣装を仕立てて下さる方の思いや、実際に出来上がって届いた衣装を手にして、どれほどの情熱を傾けて下さるのか伺い知るからです。
そのお衣装をまとった時、細胞レベルで意識が目覚め、肉体にスイッチが入る感覚、あの周波数を受け取る時に、私は自然と振りが降って湧いてくるかの如く、次から次へとイメージが浮かんで来るのです。
そしてまた、衣装というのは、自らのエネルギーで纏うもの!命が吹き込まれた衣装を来たとたん、舞い手である私たちは変わってしまうのです。
それ程のパワーをもつお衣装なのですから、私の衣装に対する熱意、これだけは手放せません。丹精込めて仕立てて下さった衣装の保管は大変ですが、袖を通すタイミングが来るまで、大切に大切にしまっておきます。
こうして、一つひとつの衣装をお手入れしながら、また振りが降りて参りました。
これが、私にとっての喜びであり、至福のひと時です。
そして、これらの衣装をまとい、いつまでも踊り続けることが出来るよう、自分自身を大切にしていきたいと思います。
皆さま、いつも、ありがとうございます。
花柳 鶴寿賀