満月の下で唄い踊る年に一度の種おろし

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11月ももう終わりに近づいていますが、何と言っても、3日と4日の二日間で行われた安木屋場の種おろしに初めて参加したことは、素晴らしい体験となりました。年に一度、各集落ごとに収穫を祝う祭りとして大切な島の伝統文化であり、これ無くして奄美を語ることは出来ないと言える種おろしに、初めて参加し貴重な経験をさせて頂きました。

アマミ舞に出会っていなかったら、この様な機会に巡り合うこともなかったことと思います。私は、この時期に合わせ一週間を奄美で過ごし、2人の仲間と共にアマミ舞の名取試験を受けていました。そして、3人揃って無事試験に合格し鈴之位という資格を頂いたその夜、晴れてこの祭りに参加したのです。

 

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その年の祭りを盛り上げるために準備をするお役目が8年に一度巡回するのだそうですが、選ばれた4つのお宅は、ご自宅を開放しご馳走や飲み物を振る舞い、集落の皆が踊り明かすのを全面的にサポートするのです。驚いたのは、まず女性の皆さんが太鼓を叩いて祭りの開催を知らせます。するとその後、男性の方々がご馳走が乗った大きなお皿を片手に輪になって踊り出すのです。一曲終わると、お皿に乗った地元ならではのお惣菜が一つずつ全員に手に届けられます。それはそれは、全部を口にしたくなるほど美味しいものばかり…そして、それを手の平にのせ箸を使わずに食べるんです。これにはびっクリ!そして新鮮な体験でした。

ひとしきり食べ終わると、太鼓や三味線の音が鳴り響いて唄が始まり、踊れ踊れと引っ張り出されます。そして、そのうちに全員が踊りだし、気がつくと心ひとつになっていくのでした。

 

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それはもう楽しくて、この夜はもう言葉が要らない!その領域に行き着くのでした。そして、ここに人間の原点があると私は感じました。一見、何もないように見えるこの島には、実はすべてがあり、自然の営みの中で暮らす島の人々はそれを大切に思い、天に祈りと感謝を捧げるため唄い踊り続けてきたであろうその姿を、私は確かに目撃しました。

この歓喜のエネルギーは大地に届いていることでしょう!鶴先生の厳しいご指導を受けて、やっとお免状を頂いた後ではありましたが、私は舞の原点に触れた感動に魂が震えました。

奄美の皆さんは老若男女問わず、皆踊りがとても上手でこれまたびっくり仰天。小さな子供たちも踊りが大好き!お爺さんお婆さんも素晴らしい踊り手です。また、祭りの主導権は女性が握っており、女性が力強く太鼓を叩くのに対し、男性は心から人々を迎えお持て成しするのです。

唄の中で男女の掛け合いがあったり、それを粋に感じたり素敵に感じたのを思い出します。時には、しんみりとする唄で何か深く心に入っていくのを許したり、天才芸人のパフォーマンスに笑いが止まらなくなったりと、100%本氣で遊ぶ皆さんにたくさんの元氣を頂きました。

 

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そして、何と言っても二日間とも空には満月が光輝いて、祭りとそこに集う人たちを祝福していました。

満月の下で踊るなんて…

安木屋場の皆さんの暖かいお心に触れ、今この重要なタイミングで目指すは心の原点であることを身をもって教えて頂きました。本当にありがとうございました。

こんな楽しい祭りは他にはありません!来年も私たちは満月の下で踊りあかすことでしょう。写真は、11月4日今井大権現岳山頂に上がった満月@牡牛座のスーパームーンでした。

そして、またここから始まりです。

 

今在るすべてに感謝をこめて

アマミ富士 拝

 

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