早いもので、一年の半分が過ぎ、いよいよ夏至を迎えようとしています。
本日は、毎年恒例となりました出雲大社様での御奉納、今年も無事に執り行うことが出来ましたこと、ご報告申し上げます。
今回は、笛奏者の雲龍さんの音開きから始まり、花柳鶴寿賀との待ちに待った共演となりました。
先ずは、クナト大神をお祀りする出雲井社様からの御奉納です。この場所を訪れることは、身が引き締まる思いがするものです。大変に神聖なる聖地であり、出雲の人々が大切にお護り続けてこられた場であるからです。
故に、身も心も安らぎ清らかな状態で訪ずれることが出来るよう、意識を持って向かいます。
聖なる森に佇むお社には、今も尚、神なる力が働いています。その大切な場において、舞の御奉納をさせていただけるのは、ここに導いてくださった方とのご縁があるからこそです。
今では天の存在となられたエネルシアさん(コズミックアカデミー創設者)の存在を忘れることは出来ません。
ここで、美しいライアーを奏でていただき、舞わせていただいた時のことを再び思い出しました。ここで舞うという体験は、一言に魂の歓び他ありません。そして、自我という意識を超越し、自然の一部となって高次元へと誘われていきます。エネルシアさんがいて下さったからそこの恩恵であることを今も尚心に留めています。
私たちが舞う姿を、きっと見ていて下さっているに違いないと、まるでエネルシアさんが側にいらっしゃるような氣すらしました。

そして、お約束通り、一年ぶりにこの地を訪れることが出来たことへの感謝の氣持ちが湧き起こります。出雲の神々様と花柳鶴寿賀率いるアマミ舞とのご縁がどれほど深いものなのか、本当に計り知れません。

奄美のユタ神様である瑞雲 千代(みくも 千代)さんです。千代神様は、冒頭でこう仰いました。「一年前から決まっていたこととは言え、皆さんが今回ここにくることが出来たのは、健康であるからこそです。」
その一言は、非常に重く感じられました。つまり、この一年をどう生きていたのかと問われた瞬間でもあった訳です。とにかく、このタイミングで出雲を再び訪れることが出来たのは、奇跡に近いことなのかも知れないと感じました。

久しぶりに耳にした雲龍さんの笛の音は、私たちの心の中心に届いて、そこから果てしなく無限の宇宙へと広がり続けていくように感じられ、最も深い中心で受け取る響きでありました。
正に天界の音というのでしょうか!
大宇宙へと果てしなく響き渡り、されど意識は今ここに…正に至福のひと時でした。

今回、「あわのうた」「ひふみ」「いろは」「君が代」に加え「芭蕉神楽」という新作を携えてのご御奉納であったのですが、ここに鶴寿賀師匠のどれほどの思いが込められているのだろうと考えずにはいられませんでした。
芭蕉は、糸となり、布となり、人を包み、海風に揺れ、島々をつなぎ、
女性たちの手仕事と祈りの中で命を育み、受け継いできた植物。
命の循環、魂の記憶、海を超えて受け継がれてきた祈り、見えない縁(えにし)。芭蕉に触れながら、どんなことも歓びに変えてきたのであろう人々の思いを感じながら、それを舞にするということが、私たちにとって初めての試みでありました。
何故、今、芭蕉神楽なのか!
そんな思いを抱きつつも、これが自然の成り行きであり、人類のすべてのご先祖様から継承されて来た祈りと舞の世界に、植物はなくてはならないものであることを実感いたしました。
その土地を守ってきた先祖、その土地の持つエネルギーによって、天地を結ぶ植物は異なると思いますが、南の島々では芭蕉という植物こそに神が宿るとされ、象徴とされてきたという歴史があります。
そこに着目され、芭蕉への感謝を舞にされた師匠の思いに感銘を受けました。
芭蕉神楽は、永遠に受け継がれていく舞となっていくことと思います。


いよいよ出雲大社様での御奉納です。
久しぶりに雲龍さんの笛の音が、御本殿に響き渡り、神聖さに包まれる中、鶴寿賀師匠の舞が厳かに始まっていきました。それは、息を飲むほどの瞬間の連続であり、それを言葉で表現するのは少々憚れます。


そして、今年も藤間 心先生に御奉納いただきました。鶴寿賀師匠とは、旧知の仲で在られ、大切な時にはそうしてご一緒させていただくこと数々…
心先生の踊りも、この場に相応しく格調高いものであり、その見えない光は、観る者の心を捉えて離さない真に迫るものを感じさせていただくのでありました。
このような場面に身をおくことを許されること自体が有難く、これを天の計らいと言わずに何と言うのでしょう。
私たちの道ゆく先を歩いてこられた人生の大先輩であり、芸に身を捧げて来られたお姿は美しく、何と言葉で表現したら良いか分かりません。
心先生、今年もお忙しい中、出雲大社様御奉納をご一緒させていただきまして、誠にありがとうございました。

そして、出雲の神様は、祈り舞う者たちを暖かく見守り続け、まだ見ぬ光へとお導きくださいます。
この数年間というもの、病氣や怪我を負い、凡ゆる課題を乗り越え到達した今ここ、すべてを舞うために捧げた日々、命を削って指導に当たり、全身全霊でアマミ舞を率いて来た私たちの師匠です。
故に、これが最後の奉納になるかも知れないと、私たちは何度も耳にしてきました。しかしながら、神様はすべてご存じ…すべてを見ておられるのでしょう。御奉納が終わったその直後、宮司様より、「来年もお願いします。」と同じ6月1日のお約束が入るのです。
これが、この数年間に起きていた出来事であります。


こうして、一年先のことなど考えられない今日ではありますが、舞を通して世界を見据え、常に新たな創造へと取り組みつ続ける鶴寿賀師匠の姿があります。どんな時であっても、それだけは一貫しており、稽古をつけていただけることは、大変貴重なことです。
今回の芭蕉神楽、私たちにとっての祈りの原点と重なり合う舞ではないかと感じます。永遠なる命を育み、笑い、歌い、踊り、魂の歓びを分かち合い、表現する舞…
出雲大社様にて、この舞を御奉納させていただくことを決意した花柳鶴寿賀は、まさに今、自らの原点に立ち還ろうとしているのだと思います。

この度の御奉納に当たり、出雲で大変お世話になりました皆様に、心から感謝申し上げたいと思います。
出雲大社様の神職で在られる川谷誠一さん、エネルシアさんのお弟子さんで在り、今では “出雲の道ひらき人” となられた野津珠美さん、薬膳・アーユルベーダをベースとしたお料理で、私たちの肉体をサポートして下さった “Arc Tara” 代表 Miho Maileさん、皆さまのお力添えに心から感謝申し上げます。
更には、この度、アマミ舞に男性陣の強い力が加わりました。樋口秀さんと館林洋さんのお二人です。御奉納に必要な荷物の手配や車を出していただいたり、状況において適切に素早く動いてくださって、影ながら、常に笑顔で私たちを支えていただいて、どれほど有り難かったことか…本当にありがとうございました。
皆さんの大きなサポートなくして、私たちは舞うことが出来ません。これからも、どうぞ宜しくお願いいたします。
そして最後に、出雲に来たくても来れなかったアマミ舞の仲間たち、心を寄せて共に祈りを捧げてくれていた皆さんに心より感謝いたします。
この度は、誠にありがとうございました。

そして、すべてはここからです!
一年後、再び出雲を目指すまでに進化したアマミ舞として、新たなチャレンジが待っていることでしょう。
日々の暮らしの中で、丁寧に積み重ねられていく祈りを通して、母なる地球と宇宙との大調和のために、歌い舞っていきたいと存じます。
アマミ富士